医療業界では、新人看護師に対する研修制度として、プリセプター制度を取り入れているケースが少なくありません。プリセプター制度とは、新人看護師に向けて先輩看護師が指導してくれたり、相談に乗ってくれたりする制度です。新人看護師であれば、資格を取得したばかりの看護師から、ブランクのある潜在看護師まで幅広く対象となります。また、ここで選ばれるプリセプター、つまり先輩看護師は経験や年数が比較的新人看護師に近く、上司よりも身近な存在です。プリセプター制度は1対1で行われるため、何かに躓いたときでも相談しやすいことがメリットの一つとして挙げられるでしょう。ここで良好な人間関係が築ければ、場合によっては仕事だけでなくプライベートの相談もできるようになるかもしれません。
そして、現場に出る際には、新人看護師と先輩看護師が行動を共にするのが一般的です。そのため、プリセプティである新人看護師は、先輩看護師の実践を見たり、ときには手伝ったりしながら業務を覚えていくことになります。いざ自分が主体となって業務にあたるときも、何かあったときにフォローしてくれる先輩看護師がそばにいてくれることはとても心強いでしょう。このように、プリセプター制度には大きく2つのメリットが存在する一方で、デメリットも少なからず存在します。その最たるものが、先輩看護師との相性が良くなかった場合です。先輩看護師との相性が良くなければ、せっかく入職しても早期退職につながってしまいかねません。人間関係を理由に退職する人も多い業界ですが、すぐに退職を考えてしまう前に、まずは先輩看護師ではなく上司に相談してみましょう。